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茂木町町田本郷地区 たけのわ町田本郷 竹から始まり繋がる縁

晴れやかで気持ちのいいお天気の10月某日、私は山あいの茂木町町田本郷地区で活動されている団体「たけのわ町田本郷」の活動に参加しました。

この地区はのどかな田畑と竹林が広がっています。たけのわ町田本郷は竹と竹林空間の有効活用を目指し、地区の放置竹林の整備や管理をしている団体です。また事務局の野原さんを中心に周辺の耕作放棄地になってしまった田畑で大豆などの作物を育てています。

私が参加した日はTUNAGU会員5人、一般ボランティア4人での活動でした。4~5年通っている方も初めて参加される方もいましたが、4~5年通っている方々を中心にボランティアだけでもいつも通りといった様子で順調に作業が進んでいました。

この日の作業は広場周辺や元空き家の母屋裏の竹林整備や竹の階段の補修、階段下にある果樹を植える予定地の竹の伐採と整備でした。

竹林整備はゲーム攻略?

 作業の合間にボランティアの方から意外な活動の面白さをお聞きしました。

曰く、竹林の伐採は「ゲーム性」があるとのこと。

自然の中で活動しているのにゲームとどうつながるのだろうと思いましたが、密集して生えている竹をどれから、どの向きに切り倒すかなどを考えるところがゲームの攻略と通じるところがあると感じるのだそうです。

気持ちよく体を動かせるだけでなく考え方と工夫次第で伐採作業1つとっても様々な楽しみ方ができることを生き生きと体現されているように感じました。

竹の縁結び

ところで、伐採した竹はどうしているのでしょう?

この日は参加者の1人がその一部を子どもたちと竹灯籠を作るために持ち帰っていましたが、たけのわ町田本郷では竹のプランターにすることもあります。

野原さんが竹プランターを通じて県外にも広がった在来大豆栽培のネットワークについてお話ししてくださいました。

そもそものきっかけはコロナ禍。

在宅時間が大幅に増え、自宅で植物に触れたい、育ててみたい、という人たちに何か提供できないかと考え、『竹のプランター+土+日本在来の大豆8種のセット』を販売したところ好評で栃木県内はもちろん、茨城県、神奈川県、東京都などにお住まいの方も購入し育て始めてくれたそうです。

しかし野原さんも経験のない屋内で栽培する購入者もいたため上手く育たないこともありました。そこで購入者の方と連絡を取り合ったり、購入者同士で情報を共有するようになったり、ワークショップを開催したりしたことで少しずつ大豆栽培のネットワークが広がり、今では20ヵ所以上になりました。

更に、そのネットワークは外に広がって終わりではありませんでした。

東京都文京区のある私立学校では生徒さんたちが大豆栽培をしたものの、手狭になってしまいました。そこで学校で育てた苗を茂木町に植え替えて栽培できないかという相談が野原さんにきました。

広がった縁が茂木町町田本郷地区にまた戻ってきたのです。その苗は耕作放棄地だった畑に植えられ立派に育っていました。

収穫の際にはまた生徒さんたちがその畑に来るそうです。

棚田で脱穀

大豆畑から更に奥に進むと棚田が!その日は稲が干されていました。

田んぼの横には小さなカニやカワニナがいる綺麗な小さい沢が流れています。なんだかほっとする空気がありました。

干されていた稲は日本晴にササニシキ、とちぎの星。これらの脱穀をするとのことで私もお手伝いさせていただきました。

おだかけから稲を運び脱穀機にどんどん通します。音は結構大きいですが、脱穀の様子は見ていて中々面白かったです。そして袋にたくさん穂が入っているのを見ると関わったのはほんの少しですが嬉しい気持ちになりました。

実はこちらの棚田は山の中へ細い道を農作業用の機械に乗って入らなければ行けない立地で行くだけでも少々危険が伴います。加えて所有者の方がご高齢であることも理由に段々枚数を減らし、近々やめてしまおうかと考えていました。

そこでせっかくの棚田をなくしてしまうのはもったいないと野原さんやトチギ環境未来基地さんが協力して棚田を引き継ぐことにしたそうです。来年はまた1枚棚田を復活させる予定だそうです。

竹から始まり大豆に棚田、もうすぐ果樹園もできるかも?たくさんの面白さの種と素敵な縁があるたけのわ町田本郷では、考え方1つであなたなりの自然と農業の楽しみ方が見つかるかもしれませんよ。

この記事を執筆したのは

宇都宮大学農学部 佐藤江李紗さん

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この記事に関するお問合せ先

栃木県農政部農村振興課 農村・中山間地域担当 里づくりチーム
TEL:028-623-2334
Mail:noson-sinko@pref.tochigi.lg.jp

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