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【なかがわ里山元気俱楽部】美しい自然を未来に繋ぐ~人の温かさで広がる希望の輪~

那珂川町の概要となかがわ里山元気俱楽部の紹介

9月24日。澄んだ青空が広がる心地よい秋晴れの天気。

宇都宮駅から車に揺られて約1時間、建物が段々と少なくなり、景色が田んぼや畑の風景へと移り変わっていきました。

八溝山系の山道を抜けたら、そこは今日の目的地の那珂川町です。

那珂川町の田園風景

那珂川町は栃木県の東北東に位置していて、北部は大田原市、南部は那須烏山市、西部はさくら市、東部は茨城県に隣接しています。

八溝山から南西方向に連なる山地が大半を占めていて、中心部には「関東の四万十川(しまんとがわ)」とも呼ばれる那珂川が流れています。アユ釣りや温泉が有名で、豊かな緑もきれいな水もある、自然あふれる素敵な場所です。

今回の記事で紹介させていただくのは、「なかがわ里山元気倶楽部」です。今年の4月に立ち上げられた新しい団体で、もともと空き家であった家を改修してできた「なかがわ里山元気ハウス」を拠点として活動しています。

地域の耕作放棄地の活用里山の整備、また、和船に乗る体験子供を対象にした自然体験活動などにも取り組みながら、那珂川町の美しい自然を守り、その魅力を多くの人に発信するために活動を行っています。

拠点であるなかがわ里山元気ハウス。入り口にはロゴが貼られている。

箒川での体験と耕作放棄地の見学

最初に、なかがわ里山元気倶楽部の拠点の近くにある箒川にて、アユ漁にも使われている和船に乗らさせていただきました。箒川の水はとても透き通っていて、水草が生い茂っていたり、魚が泳いだりしているのがよく見えました。

実際に和船に乗ってみて驚いたのは、使う道具がシンプルであるということ。船を漕ぐのに使うのは竹の棒1本のみで、川の底を左右交互に強く突くことで船を前へと進めることができます。

揺れている船の上に立ってバランスを保つのはすごく難しかったのですが、漕ぎ方のアドバイスをたくさんいただき、何とか岸まで辿り着くことができました。

また、船に乗っただけでなく、実際に投網漁を見せてくださり、とても貴重な機会となりました。地元那珂川の船大工さんが作ったという木製の船は、乗っているとどこか暖かなぬくもりを感じるような心地がしました。

次に、なかがわ里山元気倶楽部の皆さんが管理している耕作放棄地を案内していただきました。

柿の木やイチジクの木などを植えて果樹栽培に利用していたり、サツマイモやじゃがいも、落花生などの露地野菜栽培に利用していたりと、様々な方法で放棄地を活用していました。

サツマイモ畑。
柿の木。

耕作放棄地にまつわる課題

耕作放棄地の増加は農村における問題としてよく懸念されますが、少子高齢化が進行している那珂川町においても耕作放棄地をどう管理していくかは深刻な問題となっています。

耕作放棄地を管理するにあたっては多くの労力が必要で人手不足の問題が発生したり、先祖代々の土地を手放すことへの抵抗感から話を聞いてもらえなかったりと、難しい問題が多くあるのだと教えてくださいました。

竹林の整備と白菜の定植

 午後の最初の作業は、竹林の整備です。ナタで竹の枝を切り落とす作業に参加させていただきました。

ナタを使うのは初めてで、最初は難しかったのですが、一緒に活動に参加していたボランティアの方に丁寧に教えていただき、段々と使えるようになりました。

また、ナタを使わないで竹を使って簡単に枝が切り落とせる安全な方法も教えていただき、とても不思議で面白かったです。

竹の伐採の様子

最後は畑に行ってみんなで大根と白菜を植えました。

私たちが作業をした畑は「TUNAGUの畑」という名前になりました。1つ1つ自分たちの手で植えた野菜が大きくなるのがとても楽しみです。

白菜定植の様子

那珂川町への思い

 なかがわ里山元気俱楽部の山下さんは言います。

那珂川町はとっても高齢化が進んでいるんです。

畑を今までやってたおばあちゃんがもうできなくなっちゃったり田んぼをやってたおじいちゃんができなくなっちゃったり。

自分たちの力でできなくなってしまっているところを若い人たちが来てボランティアしてくれるのが本当にありがたいなと思います。

そういう人たちを町に招き入れて、那珂川町が少しでもきれいになったらいいな。

外からの若い人たちの力はどうしても必要だなって思います。

那珂川町のことが大好きで、頑張っている人たちはたくさんいます。

でも、地域の人だけでは、どうしても限界があります。

私自身、農村の保護や農業にすごく興味があり、活動に参加してみたいという気持ちはあるものの、「知識も技術力も足りないのではないか」「参加しても迷惑になってしまうだけなのではないか」と、自信を無くしてしまう時があります。

でも、なかがわ里山元気俱楽部の皆さんのように、活動に携わっているほとんどの人は若い人たちの力を必要としてくださっています。

だから、もし農村ボランティアに興味があったら、ぜひ勇気をもって活動に参加してみてほしいです。

私たちは来てくれた人にさようならは言わないようにしているんですよ。お別れになっちゃうから。

なかがわ里山元気俱楽部の皆さんはとてもやさしくて、那珂川町には初めて行ったのにまるで「おかえり」といわれているみたいな温かさがありました。

作業を終えて帰る時にも、「またね!」「待ってるね!」と声をかけてくださる皆さんのあたたかさに、私自身も「さよなら」ではなく「またね!」という気持ちになりました。美しい自然と地域の皆さんの思いやりに触れて、きっと訪れた誰しもが那珂川町のことを大好きになります。

人の温かさが那珂川町を守る希望の輪を広げていく。那珂川町の魅力がもっとたくさんの人に伝わって、きれいな川も緑の景観もずっと未来に続いていくことを心から願っています。

イチジクの木にとまるトンボ。今までに見たことのないくらい沢山のトンボが飛び回り、西日に照らされている様子はとてもきれいだった。

この記事を執筆したのは

宇都宮大学 農学部 農業経済学科1年 髙橋真彩さん

TUNAGU内の関連ページ

TUNAGU団体紹介 【なかがわ里山元気俱楽部】

この記事に関するお問い合わせ先

栃木県農政部農村振興課 農村・中山間地域担当 里づくりチーム
TEL:028-623-2334
Mail:noson-sinko@pref.tochigi.lg.jp

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