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野生と人の境界をやわらげる ―青空プロジェクトTHEDAY―

こんにちは、特派員のハンターです🐗

私は、那須町で『鳥獣被害防止対策』として、有害鳥獣捕獲や竹林整備などの活動を行っております🪚具体的には、鳥獣被害被害を減らす目的で、里山の竹林を見通しの良い環境に整え、捕獲活動を行うことで、人間と野生鳥獣を住み分ける活動を行っています。

本日は、野生動物との共生を目指す取り組みと最近報道されているクマについて、鳥獣被害対策の先輩である『一般社団法人 青空プロジェクトTHE DAY』代表、君島 陽一さんにお話を伺いました。

『青空プロジェクトTHE DAY』とは?

『青空プロジェクト THE DAY』は、栃木県那須塩原市の塩原地区を拠点に、アウトドアアクティビティを通して地域創生と里山の保全を同時に進める活動を行っている団体です。

主な活動内容は以下の通り。

アウトドアアクティビティ:古道や林道を活かしたトレイルラン・マウンテンバイクを開催                ②里山整備と地域課題への対応:耕作放棄地や古道、林道の整備を通じて、獣害対策を実施🦌               ③里山体験:子どもから大人まで楽しめる里山体験を提供⛰️                              ④地域文化の継承:「青空食堂」で地元の特産物を使った料理を提供。昔の古道や生活文化を伝えるガイド活動も展開🌿

など、地域の魅力を活かした活動を行っております。

クマによる被害の報道について📰

2025年6月末以降、那須塩原市内でも相次いでツキノワグマの目撃情報が増え、被害の拡大が懸念されています。

代表の君島 陽一さんもこの活動を始める7~8年前まで自宅の裏山に入ることに恐怖を感じている時期がありました。それは、クマのことをよく理解しておらず、報道などで伝えられた内容を聞いて不安になってしまったことが原因と話してくれました。

木村:クマとは、どのような動物なのでしょうか?

君島:本来は、臆病な動物で人を見たら逃げてしまう動物ですね。

木村:それでは、昨今のクマはどうして人里に降りて来て、時に人身事故まで起こしてしまうのでしょうか?

君島:一部ではクマが突然現れて、人に危害を与えたかように報道していますが、そんなことはありません。クマのテリトリーに人間が食べ物のごみを残したり、人里に作物のごみやペットフードなどを放置することにより、以前からクマが餌場として利用していたんですよ。

君島:事故が起こってしまった日は、偶然人に出会って、クマがパニックになり危害を加えてしまったと思われます。

木村:山に食べ物がないから人里で探しているのでしょうか?

君島:いいえ。確かに凶作などの影響もありますが、山にはドングリを始めとした食べ物は実っていると思います。しかし、人間の食べ物の方が圧倒的に美味しく、栄養価が高いため、一度味を覚えてしまうと通うようになってしまうんですよ。

君島:また、山の中では食べ物を探し回らないといけませんが、人里に行けば同じ場所に美味しい食べ物があると覚えてしまって・・・

木村:クマの被害を減らすためにはどうすれば良いのでしょうか?

君島:人間側の意識を変えていく必要があります。特に、人里で食べ物が手に入らない様に環境整備をしていくことが重要です。また、この地域ではクマ対策専用のごみステーションの設置や人里の入り口付近に分かりやすくサル用の罠を置くことで、野生動物をけん制するなどの取り組みを行っています。

その他にも君島さんは、マナーの悪い人がごみを残していくことのないよう、見回りも行っているそうです。

話の間に長年、クマを追い続けた猟師の方に、クマの毛皮をなめした物や頭骨、イノシシの牙などを見せていただきました🫢

猟師の方曰く、昔のクマと最近のクマは違うと感じるそうです。

木村:猟師をしていて、昔と今で違いを感じることはありますか?

猟師:昔のクマは、2歳くらいまでは親と一緒にいて、季節によって木の実が成る場所など、親から食べ物の取り方を教わっていました。 一方で最近のクマは、親から食べ物の取り方を教わらないうちに、人間の食べ物を見つけて食べるようになって、どんどん人里に近づいてきたように思いますね。

君島:畑の野菜など、人間の食べ物を食べ続けることでクマの栄養状態が良くなり、出産が早まったり、個体数が増加している状態になっていると感じますね。

猟師:40~50年の間に人間側の生活も変わり、狩猟をする人も減ってきたため、クマを含めた最近の野生動物は、山で猟師に会わないから人を怖がらない、という個体も増えたように感じます。

君島:化石燃料等の普及で炭などの必要がなくなったことで、人間が山に入る機会が少なくなり、今はその山で数多くの野生動物が暮らしています。青空プロジェクトTHEDAYの活動は7~8年前から始まったので、野生動物からすれば新参者に縄張りを荒らされているように感じるのではと思いますが、活動を通じて野生動物と人間の住み分けを進めていきたいです!!

道を活かしたアウトドアアクティビティの効果🏃

『青空プロジェクトTHE DAY』は、里山の古道をトレイルランニングなどのアウトドアアクティビティをする場所として活用することで獣害対策を行っています。         

*古い猟師地図、今回の取材時に歩いた地図

大人数で里山に入ることで野生動物も警戒して近づかなくなり、更に古道の管理のために倒木の撤去や余分な木を切って見通しを良くするなど、人が入りやすい環境を整えることで野生動物を里山から離すことが出来るそう。

また、定期的に里山に出入りすることで林道内の変化に気が付くことが出来ます。                      その中にクマによる剥皮(はくひ)被害があります。

君島:シカとクマでは剥皮の仕方が異なり、クマも剥皮のやり方が個体によって異なります。また、クマが剥皮を行う木には特徴があり、それぞれ縄張りの主張を行うなどクマの行動を知ることが出来ます。

木村:クマがどのような行動を取っているのかわかるのでしょうか?

君島:クマの目線になって景色を見てみると色々なことが分かるようになります。例えば、高台から家がある方向を見れば夜、家の灯りが消えたのを確認できるので、「人間に会わずに人里に行ける」ということがクマにも分かります。

このようにクマは、人に出会わない様に警戒しながら食べ物を探しているため、クマと会ってしまうのは稀なことだそうです。お話を聞く途中でお会いした地元の方も、「長年、この地域に住んでいるが、クマは見たことがない」と話します。

しかし、私たちが意識しない間に人間に放置されたごみや作物などで、クマを餌付けしてしまっている環境が出来てしまい、クマを人里に寄せ付ける原因になっていたことが分かりました。

ちょっと休憩

取材を一通り終わり、青空食堂さんでお昼を頂くことになりました😍

こちらは、地元のお母さま方の手作り料理とそばを打って用意してくれました!!                       『青空プロジェクトTHE DAY』では、そばの栽培もしており、収穫したそばの実からそば打ち体験などのイベントを定期的に開催しております。

美味しいお食事をありがとうございました😂

まとめ

クマの被害を抑えるためには、クマの行動の原因を知り、人間側の意識を変えることで、人里で食べ物が手に入らない様に環境整備をしていく事が必要です。

那須塩原市塩原地区では、『青空プロジェクトTHEDAY』の活動をはじめとして、地域ぐるみでごみの管理ルールを作るなどの対策を実施しています🌟

「クマについて知りたい!!」「野生動物との共生についてもっと知りたい!!」など、気になる方は、ぜひ一度『青空プロジェクト THE DAY』のプログラムに参加してみてはいかがでしょうか?                                あなたの行動が地域貢献に繋がります🥰

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