はじめまして!県内の高校に通う三上です。
10月某日、「たけのわ町田本郷」さんが行なっている放置竹林整備活動に参加しました。
「たけのわ町田本郷」さんは、自然栽培で育てられた野菜の流通販売をしている「ナチュラルフード森の扉」の代表である野原典彦さんを中心に、2020年に発足。茂木町町田本郷地区の高齢化が進んだことにより、手入れができなくなった竹林を整備し、活用するプロジェクトを行なっています。
はじめての竹伐採
町田本郷地区コミュニティーセンターから歩いて5分。なだらかな坂道を歩き、たどり着いたのは竹林の空間です。
今回の参加者は20人弱。輪になって自己紹介を終えた後は、ビギナー組とベテラン組に分かれて、いざ竹林整備へ!TUNAGUのPR動画の撮影の際に、U字工事さんが作った竹のアーチをくぐって別の平地に移動しました。
まず驚いたのは抜群の見晴らしの良さ。この場所はもともと田畑で、いつのまにか竹がはびこってしまったそうです。「竹林整備を行う前は、枯れた竹がたくさん倒れていたり斜めになっていたりしたので、こんなにきれいになって嬉しい」と、野原さんは話します。
竹の伐採のレクチャーをひと通り受けて、2〜3人のグループに分かれました。
グループメンバーの1人で、今回2回目の参加という吉原さんは普段は都内で会社員として働いているそうです。 「自転車をレンタルして、最寄り駅からここまで40分ほどかけて来ました!」と、爽やかな笑顔を見せてくれました。
竹を切る前にまずは竹の上の方を見てどの方向に倒れるかを確認し、ある程度高さのあるところから水平に切り始めます。なぜ根本から切らないのかというと、竹が「自分はまだ生きている!」と勘違いして水分を吸収し、その結果腐って枯れやすくなるからです。
ノコギリ初心者の私に「引くときに力を入れるといいですよー」と教えてくれたのは、宇都宮からの参加となる糸数さん。引くときに力を入れることで切り口がなめらかになるんだとか。「運動が好きだから竹を切るのは楽しい」と言う糸数さんに、エネルギーをもらいました!
切り始めるとだんだんその方向に傾いていくため、もう片方の手で竹を支えるのを忘れないようにします。
半分ほど切ったところで、ナタを使って三角形を作るイメージで切り込みを入れ、今度は反対側をギコギコ切ります。
倒すときは安全のため、「倒しまーす!」「はーい!」の掛け声を必ずします。
竹の中に雨水がたまってそこにボウフラが湧くのを防ぐために、切り終わった竹(生えている部分)はナタで十字に切って穴を開けます。
倒れた竹はノコギリで切断し、枝はナタや丈夫な木の棒をまっすぐ振り下ろして切ります。慣れてくるとスパスパと枝を切り離せるようになり、とても気持ちいいです!
竹や枝はそれぞれまとめておくと作業がしやすくなります。竹を置くときにカラコロと鳴る音に癒されます。
竹を燃やすのにかかる時間は1時間ほど。青いものは水分が多いため燃えにくいそうです。キャンプファイヤーならぬバンブーファイヤーを見て癒やされるのも、竹林伐採の醍醐味です。
1時間ほど作業したらお昼の時間に。野原さんから焼き芋をいただきました。竹のベンチに座りながら、ほくほくのさつまいもを食べるひととき。なんという幸福な時間!
休憩時間には竹のブランコに揺られていたり、竹馬にチャレンジしたりしているボランティアさんの無邪気な姿が見られました。
ご飯を食べて力を蓄えたあとは、午後の部の作業開始。今度は全員で傾斜のあるところへ。足を踏ん張って竹を伐採していきます。
野原さんにインタビュー!
Q.「たけのわ町田本郷」の名前の由来はなんですか?
A.竹の断面は丸いので、輪っかの「わ」もあるし、つながりの「わ」でもあるし、平和の「わ」でもあるので、そういう思いを込めてつけました。
Q.放置竹林整備プロジェクトが今後どのようになっていくのが理想ですか?
A.町田本郷地区だけではなくて今度は茂木町全体もきれいになって、それが他の市町にも横のつながりで広がっていくのが理想です。このプロジェクトを通していろいろな方とお会いして、有機的なつながりが生まれると嬉しいです。
Q.今後の展望はいかがですか?
A.そこ(地主の方のご自宅の隣)が空き家で、中がぐちゃぐちゃなのできれいにして、休憩できるようなコミュニティーの場所として何かできたらいいなと思っています。あとは平地の竹を全部切って果樹を植えるとか、来た人が摘んで帰れるようなところにしたいです。
活動を終えて…
竹を切り終えた皆さんのすがすがしい表情を見て、私も心が晴れやかになりました。
高校生の私が普段接することのできる大人は、学校の先生方や家族など限られてしまっていますが、この活動に参加したことで、出会えなかった大人の方と交流することができ、とても有意義な時間を過ごせました。
放置竹林の問題を「自分ごと」として捉えている大人たちのつながりが、自然と大きな輪になり里山循環が広がっていること。竹を切り出す活動に参加し、野原さん達の夢を担う一助になれたこと。これまでにない貴重な経験をすることができました。
ぜひ町田本郷へ来て、野原さん達と一緒に、竹の“輪”から見える素敵な未来を、のぞいてみませんか?
この記事を執筆したのは
海星女子学院高等学校
三上響生さん
たけのわ町田本郷の関連ページ
この記事に関する問合せは
栃木県農政部農村振興課 農村・中山間地域担当 里づくりチーム
TEL:028-623-2334
Mail:noson-sinko@pref.tochigi.lg.jp
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